すっかり波に乗り遅れてしまいましたが、先日、知人と話をしているときに思いだしたのでご紹介させていただきます。

皆さん、嫡出子と非嫡出子という言葉をご存じでしょうか?

ご存じない方も多いと思いますが、法律用語です。

2013年9月くらいだったと思いますが、「婚外子の相続差別の解消」というニュースで取り上げられたので耳にした方も多いかもしれません。

嫡出子と非嫡出子

そもそも嫡出子と非嫡出子とは何かと言いますと、結婚して生まれた子供を嫡出子、結婚せず生まれた子供を非嫡出子(婚外子)と言います。

詳しくは色々なサイトで解説しているので割愛させていただきますが、日本ではかなり根が深いと言うか複雑な問題に分類されると思います。

非嫡出子の割合がWikiに掲載されていたので、転載しておきます。

2003年度の各国の非嫡出子の割合は、アイスランド 63.6 %、スウェーデン 56 %、ノルウェー 50 %、デンマーク 44 %、イギリス 43 %、アメリカ 33 %、オランダ 31 %、イタリア 10 % となっている。日本の非嫡出子の割合は 1.93 %。

出典元:http://ja.wikipedia.org/wiki/嫡出

日本の割合が世界的に見てかなり低くなっています。この価値観の中で生まれて、生活している社会ですので「非嫡出子」への風当たり相当強いものになるのではないでしょうか。

非嫡出子へ相続したい遺言書の作成案件

まずは、登場人物のご紹介です。

chakushutsushi

奥様と愛人がいる男性の方から、自分の遺産相続についてご相談がありました。

相談者曰く、「子供は誰も同じくかわいい。子供に罪はない。同じように財産を残したい」と。

自分の死後、子供達みんなに財産が相続ができるようにしたいということで遺言書を作成致しました。

相談を受けた当時ですが、非嫡出子は嫡出子の1/2を相続できるという法律にしたがいました。

ただし、奥様やお子様の方にしてみると納得しづらい感情はおありようでした。

しかし、2013年12月に法律が改正され、

嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の2分の1とする

という規定が削除されました。(参考サイト:法務省

そして、法律が改正された今ではご子息の相続分が減るということになります。

改正前の相続分

まず配偶者は2分の1です。

そしてその残りを嫡出子と被嫡出子で分けることになります。

嫡出子一人あたりに相続される遺産・・・8分の1

非嫡出子一人あたりに相続される遺産・・・16分の1

改正後の相続分

配偶者は変わらず2分の1

そして、嫡出子と非嫡出子が変わります。双方とも同じ割合になりますから、

嫡出子一人あたりに相続される遺産・・・10分の1

非嫡出子一人あたりに相続される遺産・・・10分の1

つまり、「嫡出子は減って、非嫡出子は増える」ということになります。

この案件ですが、ご主人がご存命のため相続は今後発生することになります。

奥様、嫡出子、非嫡出子との間で争うことがないように祈るばかりです。

教訓

法律は時代と共に変化する。家族の形態や生き方も時代と共に変化する。ただし、人の心はそう簡単に変わらない・・・かもしれない。

この記事を書いた人

小島 太
市民の皆さんの為の「頼れる街の法律家」を目指します。

私は流通業で28年間サラリーマンを経験した後、行政書士事務所を開業しました。もともと大学で経済を専攻した私が法律に携わる仕事を選んだのは、長いサラリーマンの経験から人の心の痛みを少しでも和らげる仕事がしたかったからです。私は遺言相続コンサルタントとして、遺言、相続、遺産相続の手続を中心に仕事をしております。